2006年05月23日

「沈まぬ太陽」の魂も沈まない。

音楽でも映画でも小説でも、本当に優れた作品は時代を超え、時も場所も人も選ばないというのが私の持論ですが、今日またその持論を強く確信しました。


堀江被告が御巣鷹登る 小説「沈まぬ太陽」に感動、保釈後初外出

ライブドア前社長、堀江貴文被告(33)=証券取引法違反(偽計、有価証券報告書の虚偽記載など)の罪で起訴=が今月21日、弁護士らと日航ジャンボ機墜落事故現場の御巣鷹の尾根(群馬県上野村)に登っていたことが分かった。

4月27日に保釈された後、東京・六本木ヒルズから外出したのは初めて。御巣鷹行きは拘置中に事故をモデルにした山崎豊子さんの小説「沈まぬ太陽」を読んで感動し、希望したという。

関係者によると、堀江被告は21日未明、六本木ヒルズを車で出発。午前7時半ごろから登り始め「昇魂之碑」前でろうそくに火をともし、合掌した。同10時ごろには登山口に戻った。

登っている途中は「空気が違いますね」などと話し、元気な様子だった。26日に開かれるライブドアの前取締役、宮内亮治被告(38)らの初公判は話題にならなかったという。

「沈まぬ太陽」については「泣けちゃったんですよ。涙が止まりませんでした」などと関係者に感想を漏らしていた。(産経新聞)

「沈まぬ太陽」は、本を買うという習慣が全くない私が唯一、買って手元に置いておきたい、いつでも手の届く場所に置いておきたいと思って買った本です。

多分と長い間、音楽にだけ没頭してきた私が、ふと自分の頭の中がお花畑モードになっていることに気付き、本を読んで頭を鍛えようと、当時勤めていた会社の社内図書館に通うようになり、駄作を含めてありとあらゆる本に手を出して、最後に手に取ったのが「沈まぬ太陽」でした。

なぜ最後になったかというと、読む前は全5巻の超大作で腰が引けていたのと、読んだ後はこれ以上おもしろい(と言うと語弊がありますが)本はこの図書館にはもうない、と思ったからです。

この本は、私の人生のバイブルです。それまで当たり前のように生きてきた自分に、初めて「生きる」ということの本質を教えてくれました。ただ生きるのではなく、どう生きるのか、それが重要だ。そう教えられた気がします。

記事中には日航ジャンボ機墜落事故をモデルにしたとありますが、厳密にはテーマの1つであると言うべきでしょう。テーマはやはり、主人公をはじめ登場人物たちが「どう生きたか」だと私は感じたので。

山崎豊子氏の作品を読むたびに、よくぞここまで取材したと頭が下がります。「沈まぬ太陽」はもちろんのこと、「大地の子」しかり「白い巨塔」しかり。空想だけで小説を書く(私はこれを公開オ○ニーショーと定義しています)作家も多い中、地道な取材に基づいて書かれた作品は圧巻の一言に尽きます。

着眼点・取り上げるテーマの選択もすごい。「白い巨塔」なんてほんの数年前に再ドラマ化されましたが、小説が連載されていたのは1ドル=360円だった時代です。そんな古いテーマがいまだに通用するということは、本来は失笑すべきことなのです。これは、あれから40年くらいたっても、日本の医療界はまだ同じ問題を変わらずに抱えていることを証明しています。恐ろしい・・・。

話を沈まぬ太陽に戻しますが、「生きる」ということをテーマにするには、必ず同時に「死」というものに触れなければなりません。突然人生を終えることになった多くの方、残された遺族の方、加害者となった会社の一社員としてどう生きるかを問いかけてくる主人公。1つ1つが大切に描かれていて、いい意味で重いです。

堀江氏の人生観も変わったのでしょうか。それとも一時的な激情でしょうか。それは本人にしかわかりませんが、人の心を大きく動かすことのできる作品は、やはり素晴らしいと思います。

私も読みながら胸が詰まって、何度もページをめくる手が止まりましたが、決してその辺に転がってるお涙頂戴の空想物語とは違います。泣けることを謳い文句にした本とはわけが違います。なので、こういう風に「感動」「涙」を前面に出した紹介のされ方はちょっと不本意なのですが・・・。

個人的には自分がいいと思ったものを人に勧めることは、何かいいのない?と頼まれない限りはなるべくしないようにしているので、ぜひ読んで下さい!なんて言いません。もし人生に迷ったりしたときは、お手にとってはいかがでしょう?くらいにしておきたいと思います。


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posted by チョロQ at 19:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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